嵐山渡月橋からまっすぐ北へ1キロほど歩くと、その突き当たりに両側に紅い仁王が構える大きな門が「五台山」の扁額を掲げて建っています。門を入ると伸びやかに広がる空間の正面に本堂が、右に経堂や阿弥陀堂、左の多宝塔をさらに奥に進むと真っ赤な紅葉に囲まれて聖徳太子殿が建っています。清凉寺は浄土宗知恩院派のお寺で一般には嵯峨釈迦堂の名で親しまれています。
元禄十四年(一七〇一)に徳川五代将軍綱吉(つなよし)、その母桂昌院(けいしょういん)らの発起により再建された本堂に安置されている国宝の本尊釈迦如来立像の体内には五臓六腑を持ち、お釈迦様の若き日の姿を彫ったものといわれています。400円の拝観料で本堂に上がり、ご本尊のお釈迦様を拝することができます。春と秋に拝観できる霊宝館では、国宝の木造阿弥陀三尊像を拝することができます(400円)。
源氏物語の光源氏のモデルといわれている源融(みなもとのとおる)の山荘であった静霞観(せいかかん)を源融の死後に静霞寺に改めたのが清凉寺の始まりとされています。阿弥陀堂がその名残の建物で、阿弥陀堂の傍には「源氏物語ゆかりの地」のパネルが掲示されています。清涼寺は春の梅、桜も楽しめます。
境内には、「然上人、源融、嵯峨天皇、檀林(だんりん)皇后の墓が見られます。本堂の西側には昭和58年に作られた豊臣秀頼公の首塚があります。
清凉寺(嵯峨釈迦堂)の春は広い境内のあちこちにピンクや白の桜が咲きます。清凉寺の桜をクリックすると美しい桜の清涼寺の写真をご覧いただけます。
清凉寺への電車とバス
●JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅下車、徒歩約10分
●京都バス「嵯峨釈迦堂前」バス停より徒歩すぐ
(京都駅前より71、72系統乗車)
●市バス「嵯峨釈迦堂前」バス停より徒歩すぐ
(京都駅前より28系統乗車)
▲清凉寺(嵯峨の釈迦堂)の仁王門を通して本堂を眺めています。
▲清凉寺の本堂には国宝の釈迦如来立像が安置されています。
▲清凉寺の仁王門、扁額は五臺山