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武信稲荷神社(たけのぶいなりじんじゃ)

 

由 緒

武信稲荷神社のエノキ

 武信稲荷神社は、平安時代この近くにあった藤原氏の学問所勧学院と医療施設延命院の守護社として、右大臣藤原良相によって創建されたと伝えられる。
 このエノキは、平重盛が安芸(あき)宮島の厳島(いつくしま)神社から苗木を移し植えたという伝承を持ち、神木とされている。
 この付近は、壬生(みぶ)(水生)という地名からもうかがえるように、かっては地下水位が高く、こうした地質がこの古木を育成したと考えられる。市街地の中にこのような大木があることは貴重であり、昭和六十年六月一日、京都市指定天然記念物に指定された。 京都市
▲上は武信稲荷神社に掲示されている京都市の駒札説明板の文をそのまま再録しています。

坂本龍馬と妻おりょう

 神社の南には江戸時代、幕府直轄の六角獄舎という牢獄があり幕末、勤王の志士が多数収容されていた。その中に坂本龍馬の妻おりょうの父が勤王家の医師であったため捕らえられていた。
 龍馬とおりょうは共に何度か訪れるが、龍馬自身も狙われる身であり面会はかなわない。その為この大木の上から様子を探ったという。  その後命を狙われ追われる龍馬は身を隠すこととなる。おりょうは龍馬の身を案じ過ごしていた。そんなおり二人で何度も訪れた武信稲荷の榎をふと思い出し訪れた。するとそこには龍馬独特の字で『龍』の字が彫ってあたという。
 自分は今も生きている。そして京都にいるのだ。そういう龍馬からの伝言であった。
 龍馬が京都にいることを知ったおりょうは二人の共通の知人を訪ね、その後に二人は再び出会えたという。
 御神木の榎(えのき)は八五〇年の生命力から健康長寿の信仰が厚い。また榎は「縁の木(えんのき」)」とも読まれ、御神木の榎に宿る弁財天を祀る末社の「宮姫社」は縁結び、恋愛の神としても知られる。龍馬とおりょうもそんな縁結びの力を頂いた二人である。
            武信稲荷神社
▲上は武信稲荷神社に掲示されている説明板の文をそのまま再録しています。

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 御神木の榎(エノキ)は樹齢推定850年、4メートルの幹廻りと樹高23メートルの大木です。近くの六角獄舎に捕らえられている父を訪ねてくるお龍のために、命を狙われる龍馬が、この榎の幹に「龍」の字を彫ったと伝わります。龍馬とお龍の縁にあやかろうと参拝者が訪れます。龍馬とお龍が描かれた絵馬に願い託す人も多いようです。

武信稲荷神社の所在地/京都市中京区三条大宮西二筋目下る
拝観/境内参拝自由
武信稲荷神社への公共交通機関/
JR嵯峨野線「二条」駅、市営地下鉄「二条」 駅より徒歩約10分
市バス「四条大宮」、阪急「大宮」、嵐電「四条大宮」より徒歩約5分

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