上賀茂神社絵馬の説明
神社の絵馬は神社固有の神紋や祭行事が描かれているものが多く興味をそそられます。
上の写真の絵馬は上賀茂神社が発祥といわれている5月5日の「競馬会(くらべうま)」が描かれています。「競馬会神事(くらべうましんじ)」は五月五日に一の鳥居から続く直線の道で行われます。
中2枚の絵馬は「葵祭」の絵です。葵祭は毎年5月15日に行われる上賀茂神社、下鴨神社の例祭で、平安朝の雅を再現した行列が、京都御所から下賀茂神社を経て上賀茂神社まで歩きます。葵祭は賀茂祭が正しい名前です。行列の長さは700メートル程もあるようです。
下の絵馬は「縁結び」のご利益がいただける上賀茂神社摂社の片岡社の絵馬です。片岡社は片山御子神社が正しい名前で玉依比売命(たまよりひめのみこと)が主祭神です。
葵の葉が象られた片岡社の絵馬には「ほととぎす 声まつほどは 片岡の もりのしづくに 立ちやぬれまし」と新古今和歌集の歌が書かれ、紫式部とほととぎすの絵が描かれています。
きれいな写真を集めた上賀茂神社の別頁もご覧ください。
上賀茂神社の由緒
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
山城国一ノ宮
賀茂別雷神社(上賀茂神社)
御祭神 賀茂別雷(かもわけいかづち)大神
御神徳
厄除 雷(いかづち)の御神威により厄を祓い、災を除き給う厄除明神として広く信仰されている。
方除 京都の鬼門の守り神として、方除の信仰が篤い。
主な祭典
【賀茂祭(葵祭)】 五月十五日 例祭
古く欽明天皇(六世紀)の御代より始まる。現在も皇室より勅使を御差遣になり祭が行われる。その行列は王朝絵巻を見るが如く優雅で、総勢五百名、列の長さ八百米に及ぶ。京都三大祭の一つ。
【競馬会神事】 五月五日
当神社は競馬発祥の地と言われ、堀川天皇の御代(十一世紀)より殊に盛んとなり今日まで連綿として続いている。 京都市登録無形民俗文化財。
【夏越祓】 六月三十日
茅ノ輪をくぐり、人形(ひとがた)を流して罪穢を祓い清め、無事で健康な生活を祈願する行事。
風そよぐならの小川の夕ぐれは
みそぎぞ夏のしるしなりける
藤原家隆
と百人一首にも詠われているように、当神社の夏越祓は鎌倉時代すでに有名であった。
【からす相撲】 九月九日
神事役がからす鳴き、からすの横飛びなどして、童子が相撲をし神覧に供する珍しい行事。
京都市登録無形民俗文化財。
上は境内に掲げられている由緒書(下の写真)を再録したものです。