仁和寺 五重塔

 国指定の重要文化財である仁和寺の五重塔は高さが36.18メートルあり、下の層(初層)から一番上の五重への逓減率が小さく、見た目には初層の屋根と五重の屋根の大きさが同じに見えます。
 仁和寺の五重塔は寛永年間(1624~1644)に建てられました。これは東寺(教王護国寺)の五重塔の建立とほぼ同じで、近世五重塔の代表作と言われています。
 初層の内部には柱や壁面には仏画が美しく彩色されていて、中央正面には五体の仏像が安置されています。
 京都市内には仁和寺の五重塔の他に、東寺の五重塔(55余メートル)、醍醐寺の五重塔(38メートル)、八坂の塔(法観寺)(46メートル)の計4本の五重塔があります。

仁和寺 金堂

 国宝に指定されている仁和寺の金堂は単層、入母屋造本瓦葺の建物で、正面に蔀(しとみ)戸がめぐらせてあり、屋根の流れが美しく、全体に気品を感じます。
 仁和寺は元永2年(1119)の火災で伽藍の大部分を焼失し、その後の応仁の乱(1467~1477)では境内が西軍の陣地となって伽藍のすべてを失ってしまいました。
 この金堂は江戸初期の仁和寺再興の際に京都御所にあった紫宸殿を移築したもので、他の寺院の本堂とは異なる典雅な気品を感じさせるのもうなずけます。
 元の紫宸殿は檜皮葺であったものを、移築の際に本瓦葺きに改築されましたが、桃山時代に御所に造営された現存最古の紫宸殿の貴重な遺構として国宝に指定されています。
 内部には須弥壇(しゅみだん)が設けられ、仁和寺創建時の本尊である阿弥陀三尊像(国宝)が安置されていましたが、現在の本尊は運節作のもので寛永21年(1644)に安置されたものです。

仁和寺 経藏

 国の重要文化財に指定されている仁和寺の経藏内部は、回転式の八角輪蔵が備え付けられていて、一切経が納められています。広い境内の東北にあり、紅葉の赤が美しく添えられていました。

 京都の春を締めくくる遅咲の桜の写真は御室仁和寺又は御室仁和寺で御覧ください。仁和寺の広い境内を赤く染める紅葉の写真は別サイトの御室仁和寺をクリックしてください。