菊水鉾の屋根は祇園祭の鉾で唯一の唐破風造りです。

菊水鉾（きくすいほこ）

　室町時代の末、町内に茶祖、千利休の師、武野紹鴎（たけのしょうおう）の邸（やしき）があり、邸内にあった菊水井（きくすいい）にちなんで名付けられた。鉾先（ほこさき）は金色の十六辨菊華（べんきくか）をつけている。真木（しんぎ）の「天王座（てんのうざ）」には彭祖像（ほうそぞう）を祀る。屋上の夷像（えびすぞう）は、元夷山の御神体である。此鉾は元治元年の兵火に焼失したが、昭和二十七年、八十八年目に松本元治の願主にて再興された。稚児（ちご）人形は菊の露を飲んで七百歳の長寿を保ったという、能楽枕茲童（まくらじどう）の舞姿である。屋根は唐破風造りで翠簾（すいれん）を掲（かか）げるところは特に他の鉾と異っている。胴掛は皆川月華作。獅子、麒麟、昇鯉。太陽と飛鶴の図。見送り孔雀の図。両横水引は山鹿清華作鳳（ほう）と彎（らん）の図。皆川泰蔵作京都名所の図。天井は三輪晁勢筆の日月瑞雲（ずいうん）の図。近年では小林尚珉によって錺金具（かざりかなぐ）の製作が進められている。京都の作家によって年々充実され「昭和の鉾」の偉容を示している。
　　　　　京都市
上は菊水鉾の山鉾町に掲示されていた京都市の古い駒札（下の写真）の文を書き写しています。

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